Summer Sonic 2022 の感想やベストアクト


2022年のSummer Sonic東京に2日間行ってきました!2020年はオリンピックのため開催なし、2021年は9月にスーパーソニックの開催だったため、サマソニは実に3年ぶりの開催でした。私自身も2019年以来のサマソニ参加でした。


ラインナップ発表時点で盛り上がりを見せていた通り、期待を裏切らないどころか期待を超える豪華なステージばかりでとても満喫できました。

観たアーティスト

1日目 2022-8-20 Sat.

  • Beabadoobee 一瞬
  • Rina Sawayama
  • Maneskin
  • King Gnu
  • The 1975

2日目 2022-8-21 Sun.

  • Easy Life
  • The Struts 一瞬
  • Yungblud 一瞬
  • Endrecheri 一瞬
  • きゃりーぱみゅぱみゅ 一瞬
  • Kula Shaker
  • Primal Scream

各アーティストの感想

1日目

Beabadoobee

Beabadoobeeの1stアルバム Fake It Flowers がとても好きなので期待していました。ただ例年通り早起きチャレンジに失敗して、私が聴けたのは最後の2, 3曲ほどでした。
音源通りの砂糖のような甘い歌声と、その歌声がそのままキャラクターになったかのような可愛い立ち振る舞いと性格で、お客さんのハートをしっかり掴んでいました。アライグマのリュックを背負っていて可愛かったです。

また夕方に向かって涼しくなり始めた野外のマリンステージで、海風を浴びながら聴く曲として、bitter sweetなBeabadoobeeの曲たちは最高のペアリングでした。とても心地良かったです。
いやー最初から聴きたかったです!いつか単独公演等でまた来日してくれることを期待します。

Rina Sawayama

予想より遥かに素晴らしかったです。赤と黒の衣装でマイケル・ジャクソンのように静止して登場した瞬間、マリンスタジアムの30,000人中30,000人が "かっこいい。。。" と同時に強く感じたはずです。実際あちらこちらで "かっけえ。。。" と思わず漏れた声が聞こえてきて面白かったです。

とにかくステージプレゼンスが際立っていました。歌もダンスも上手いですし、女性だけで揃えられたバンドメンバーとダンサーも皆さん魅力的でしたし、MCで日本語混じりにLGBTQの権利を訴える姿勢など、パフォーマーとしても人間としても本当にかっこいいですね。単独来日公演が2023年1月にあるそうなのでぜひ行きたいです。

Maneskin

予想より遥かに素晴らしかったアーティスト2組目です。曲も演奏も立ち振る舞いも脂乗りまくりで、旬のアーティストを見るとはこのことか!という圧倒的なパフォーマンス。そしてそれに呼応する観客の熱狂っぷり。後々Maneskin自身がキャリアを振り返るときに、今回のサマソニもきっと含まれるんじゃないかなと思うほど、伝説級のライブでした。
ボーカルDamianoの日本語も流暢で、曲中に何回か "がんばれがんばれ♥" と観客を煽っていて笑いました。

ベースVictoriaの衣装はあれで良いのか?とハラハラしましたが、Victoria自身が全く意に介さずに随分楽しそうに演奏を続けていたので、女性が男性より荒ぶって何が悪い、そもそも同じ人間なのだから同じ格好をしても構わないじゃないか、という気持ちにだんだんさせられました。サマソニ後に、ジェンダーレスを体現したいというVictoriaの発言をインタビュー記事で見かけて納得しました。

King Gnu

良かったです。良かったのですが、このタイムテーブル位置は結構不憫。この日のマリンステージはあまりに強いアーティストが多すぎて、普段尖って感じられるKing Gnuが大人しめに聴こえた感は否めないです。

あとKing Gnuの楽曲はどれも、ぎりぎりのところで日本人に受け入れられるポップさを何とか保つことに腐心しているのが伝わってきました。洋楽を聴く身としては、Millennium Paradeかそれ以上に尖ってくれて良いんだよ、やっちゃえ常田さん、というじれったさを感じちゃいます。もう世間体や売上を気にするのをやめた、常田さんのやりたい放題をぜひ一度聴いてみたいです。そういう意味で底知れないポテンシャルを感じました。

The 1975

私の目当てのバンド。良くないはずがありません。メンバー全員がスーツで登場し、モノクロの映像で映される世界観はスタイリッシュそのもの。ボーカルMattyが上裸で歌っていた頃が嘘のようです。ただ日本の夏にスーツはかなり暑かったようで、MCで "It's not a good idea." とも言っていました。
タバコをふかしながら歌うボーカルMatthew Healyは相変わらずとってもクールでした。ただ意外と見た目ほど吸っていなくて、タバコや飲酒で余裕を見せたいという緊張の裏返しにも見えました。

前回の2019年サマソニは3rdアルバム Notes on a Conditional Form のリリース直前だったため、まだ1stアルバム2ndアルバムの曲しかセトリに入っていませんでした。
今回は3rdアルバムと、2022年10月14日リリース予定の4thアルバムもセトリに組み込まれていました。序盤からあまりにもキラーチューン連発で、後半一体どれほど難解なことをするつもりなのだろう?と勝手に不安になっていましたが、Matty自身も言及していた通り終始Best Hit Songsなセトリでした。

4thアルバム Being Funny in a Foreign Language の曲は彼ら自身まだ手探り状態で、新曲 "I'm in love with you" が世界初披露されるという素敵なサプライズもありました。新曲前のMattyのMCは "この曲めっちゃ不安でやりたくなかったんだけど…もしこの曲が好きじゃなくても、ただ笑って好きなふりをしてね (If you don't like it, just smile and pretend that you like it)" でした。そんなに不安そうにしていたのにも関わらず、蓋を開けたらThe 1975王道のキャッチー&ダンサブルな素晴らしい良曲で、いやいやめちゃいいじゃん自信持ってよ!という気持ちになりました。

2019年サマソニの時ほどパフォーマンスや演出はまだ洗練されていないなというのが正直な感想ですが、The 1975にとって2年のブランクを経たライブ初回が今回のサマソニであることを考えると当然だと思います。大阪サマソニのMCで発表された通り、2023年4月に単独来日公演をするとのことなので、その頃には今回の何百倍もパワーアップしたステージングが期待できると予想します。待ちわびた単独公演、本当に楽しみです!

2日目

Easy Life

アルバム Life's a Beach に最近とてもハマっていたので、かなり楽しみにしていたEasy Life。とても良かったです。サマソニ出演アーティストには珍しい、横にゆらゆら揺れる系の横ノリの曲たち。何というか、少しレゲエっぽいノリです。
想像以上のサプライズなどは特になかったですが、安心安定の良いライブといった感じでした。

ボーカルのMurray Matraversは、MVでは大抵無表情ですが実際はかなり気さくな印象で、ニコニコ楽しそうにステージ上を動き回ったり、 "It's very very very hot. Spicy ramen." と微妙に観客に伝わらなかったMCをしたりしていました。
ちなみにサマソニ2日前の単独来日公演の日は、ファン数人と一緒にゴールデン街でカラオケオールをしたそうで、非常に羨ましかったです。皆さん出待ちなどするのでしょうか、一度で良いから私もそういう経験をしてみたいです。

The Struts

結構好きなのでちゃんと観たかったのですが、Easy Lifeとタイムテーブルが被ってしまいました。Easy Lifeの直後に無料シャトルバスに乗り込み、なんとか最後の1曲 "Could Have Been Me" のみ聴けました。
歌がめちゃくちゃ上手いです!フレディ・マーキュリーのよう。1曲でも最高に乗れたので、終始絶対に楽しかったでしょう。彼らもぜひ再来日してほしいアーティストです。

Yungblud

一瞬だけ観ました。正直音楽的には好みではないのですが、半袖半ズボンという少年のような出で立ちで、最初からずっとギャーギャー叫んでいてテンション高すぎて笑いました。
しかも他の方の報告によると、このテンションは下がるどころか、ライブ最後まで上がり続ける一方だったそうです。"会場の様子" でも後述しますが、まさに憎めないキャラです。

Endrecheri

数曲だけ観ました。どの曲もファンキーすぎるくらいファンキー、ファンクをこれでもかと煮詰めたような音楽性。ファンクはみんな好きだけどやり過ぎるのは大げさでキャッチー過ぎて恥ずかしいよね。。という風潮が何となくあるところを、ファンクが好きでやりたいから思い切りやってやる!と突き抜けていて素晴らしいです。
あまりにファンキーで素晴らしいので誰が作曲しているのだろう?と後で調べたら、堂本剛さんご自身で驚きました。才能溢れすぎです。ジャニーズファンは一体どのようにこのごりごりファンクを受け止めているのか、あるいは受け止めていないのか気になります。

堂本剛さんのリズム感のあるボーカルも良いですし、バックバンドも選りすぐりのメンバーを集めたのだろうなという多国籍なメンバーで、演奏のクオリティが非常に高かったです。特にベースが笑っちゃうくらいスラップ多用のファンキーさで最高でした。
いつかもっとちゃんと観たいアーティストの1人です。

きゃりーぱみゅぱみゅ

一瞬だけ観ました。Coachellaでの大健闘が記憶に新しいきゃりーぱみゅぱみゅ。Coachella配信では異国の地で等身大で頑張る彼女の姿にとても感動しました。
今回のサマソニでも、人がかなり入っていましたし皆盛り上がっていました。絶対楽しいやつですね。
中田ヤスタカさんの作るきゃりーの曲自体も好きなので、いつかちゃんと観たいと思いつつ、毎回他のアーティストと被ってしまいます。

Kula Shaker

今回のサマソニの大穴でした。恥ずかしながらKula Shakerは名前は知っているけれどあまりちゃんと聴いたことがなかったのですが、素晴らしいじゃないですか。
まず曲がサイケデリック&インディアンで唯一無二です。その上ボーカルのギター演奏技術がかなり高くて魅了されます。昔と変わらない、ルックスと相反するしゃがれた歌声もとても良いですね。Kula Shakerの大ファンであるmiletが、最後のGovindaに飛び入りボーカル参加するという、フェスらしいサプライズも提供してくれました。
ライブ後の余韻部門ではだんとつ1位で、サマソニ後に1番聴いているのもKula Shakerです。名盤アルバムの "K"、おすすめです。

Primal Scream

途中から観ました。今までもフェスで何度か観ているPrimal Scream。私自身の疲れもあって、お洒落だけどだいぶダウナーなセトリだな。。と思っていたら、案の定アンコールでCountry GirlやRocksなどアッパーな曲を連発してきたので、最後の力を振り絞って跳ね回りました。大トリに相応しい締め方で、誰もがPrimal Scream効果で満足感に満たされながら帰路につけたことでしょう。

ベストアクト

本当に全アーティストもれなく良かったです。それでもあえて個人的ベストアクトを3位まで選ぶなら以下かなと思います。

1. Maneskin
2. The 1975
2. Rina Sawayama
3. Kula Shaker

予想を遥かに超えるカリスマ性と旬の勢いを感じられたManeskinが1位です。衝撃的なライブでした。このタイミングで観られたことに感謝です。

The 1975はもはや安定ですね。The 1975の素晴らしさを既に知っているがゆえに、ある意味Maneskinのようなとんでもない衝撃は無いですが、いつも考え抜かれた楽曲やパフォーマンスを提供して皆を飽きさせない彼らは不動のスターです。2023年の単独来日公演を待ちわびています!

Rina Sawayamaはパフォーマンスも人間性もかっこよかったです。Maneskinと同様、今まさに上り詰めていっている最中であることがよく伝わってきて、やはりこのタイミングで観られてラッキーでした。

Kula Shakerはインディアン&サイケデリックロックへの未知なる扉を開いてくれたので、ライブ後の私への影響度は1番でした。

会場の様子

マリンステージお馴染みのMCサッシャさんも言外に滲ませていた通り、正直ルールはあってないようなものでした。特にどのステージでも前列の方は声出しも密集もなんのその状態に見えました。

ただあくまで個人的にはこれを悪いことだと思っていないです。誰もが怯えて過ごすことしかできなかった初期の状況から、医学の発展や調査により楽しみたい人は存分に楽しみ、まだリスクを取りたくない人は回避ができる状況に進歩したと証拠だと思うからです。リスク回避したい方は後方でライブを楽しむか、フェス参加をしばらく控えるしかないのかなと思います。

ワンオクTakaさんのMCだけがなぜか炎上していますが、正直他の海外アーティストのほうがよっぽど観客を煽っていたという事実があります。Yungbludなど最たる例で、無邪気に "運営側に声出しやモッシュを煽らないように言われていたけどこうなっちゃったぜ。ノッてくれた日本f*cking最高!" という旨のツイートをしていて笑いました。無邪気すぎて憎めないです。


あとKing GnuとマキシマムザホルモンのMCに関しても色々言われていましたね。マキシマムザホルモンは観ていないので判断できかねますが、King GnuのMCはその場にいた私にとっては全く悪意のない、シンプルにManeskinと打ち解けているからこそできたジョーク、それ以上でも以下でもないように見えました。

実際にManeskinのライブ中にドラムの機材トラブルが起きたのですが、次の出番で控えていたKing Gnuがとっさにスネアドラムを貸してあげたという経緯もありますし、2日目のライブ前には一緒に写真も撮っています。
 

これがもし海外アーティスト同士のいじり合いだったら炎上しないのだろうな、と思うと日本人対日本人への風当たりの強さを感じて辛いものがあります。もう少し日本人が日本人であること自体を誇りに思えたら良いですよね。

その場にいたり当事者でないとわからないことって多いのだな、切り取られて伝わる情報って多いのだな、と改めて実感した2日間でした。

フェス飯

会場内

2日とも概ね曇りや雨で、晴れの日ほど暑くはなかったのですが、とはいえ夏は夏。マリンステージは熱気が籠もり汗が止まらなかったです。そしてほとんど全ての海外アーティストがMCで暑いと言っていて面白かったです。

ということでまずはリトルジュースバーのいちごけずり。フジロック等でも見かけるもはやフェス定番おやつだと思います。間違いない美味しさです。


その他は写真を撮り損ねてしまったのですが、いずれもマリンステージ近辺で購入しました。

2019年にも食べて美味しかった長城菜館の台湾まぜそばも、相変わらずの美味しさでした。Yellow Magic Spiceのトマト野菜カレーもスパイス一杯でなかなか美味しかったです。
また今回初めて食べて感動したのが、富士山食堂の富士宮やきそば全部のせでした。麺がもちもちで具の味付けも良くてとても美味しかったです。
唯一某店の "チキンとレタスをポンと乗せただけ丼" は個人的にいまいちでした。

アパホテル東京ベイ幕張


2022年はプラスちばキャンペーンという、音楽イベントやスポーツイベントに参加する人は、500円で3,000円分の電子クーポンを購入できる、という目を疑うような千葉県のキャンペーンがありました。何割引きクーポンはよくありますが、価値が6倍になるって大判振る舞いすぎます。しかも参加日ごとにクーポンを購入可能で、例えばサマソニ2日間参加なら2枚(1,000円で6,000円分)、ソニマニ&サマソニ参加なら3枚(1,500円で9,000円分)クーポンを購入することができます。

早速これに乗っかり、宿泊先のアパホテル東京ベイ幕張1階のレストランMOMO Cafeで両日食事を取りました。屋台飯と違って静かな環境で落ち着いてテーブルと椅子で食事ができますし、味も美味しかったです。500円でピザとパスタがお腹いっぱい食べられるのはどう考えてもバグっており、使わない手はありませんでした。
今年のサマソニはこのクーポンのおかげでかなり食費が節約できました。

まとめ

フェス参加は3年ぶりで、改めて生で音楽を聴く良さを実感しました。地響きのような重低音や観客の熱量は、配信ではなかなか伝わらないはずです。楽しかったの一言に尽きます。

完全に私事ですが、その日の気分の良し悪しを5段階で記録するスマホアプリを使っていて、サマソニ後は毎日4(良い)が続いています。今までは3(普通)か2(悪い)で低空飛行していたので、ライブの持つストレス発散効果は本当にあなどれないなと実感しています。ちなみに5段階あるあるで、5(とても良い)や1(とても悪い)は滅多に付けないです。

それぞれの無理ない範囲で、実際に音楽を体感する機会も増やしていけたら良いですね。単独来日公演も2022年秋ごろからどんどん復活しているので、たくさんライブに足を運んで心身ともに健康に過ごし、また感想をお届けできればと思います。Take care!

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