洋楽好きが選ぶ!2020年の洋楽年間ベストアルバム


2020年は世界的に大変な1年でしたが、皆様お元気でしょうか。
今年も私が個人的に選んだ、洋楽の年間ベストアルバムを発表します。

昨年も言及しましたが、サブスクやYoutubeで音楽を聴く流れは加速し続けていますね。アルバム単位でなく曲単位で音楽を聴く人も多いですし、CDを回して音楽を聴いていた時代はもはや遥か昔のように感じられます。

それでも、やはりアルバムを通して聴く喜びは損なわれないなと思いました。特に今年は、アルバムタイトルの世界観を濃密に表現したアルバムが多かったように思います。
新型コロナウイルス流行でライブも全く開催されない日々でしたが、アルバムは良作が多かったです。お家にいながらもひととき現実逃避できるような、良アルバム達の世界観に心が救われました。

そんな年にランキングなど野暮かもしれませんが、振り返る意味でも楽しいので、今年も個人的なランキングを決めてみます。

ちなみに2019年の個人的ベストアルバムはこちら。

2020年に聴いたアルバム11枚

私が聴いた2020年発売の洋楽アルバムは、以下の11枚です。(アーティスト名順)

年間ベストアルバム TOP5

では、この中からベスト5ランキングを発表します!あくまで私個人の選定・感想ですので、ご了承下さい。

今年ももったいぶらずに1位から順に発表します。

1位 Dua Lipa: Future Nostalgia

Dua Lipa
2020年4月1日リリース
1位はDua Lipa(デュア・リパ)の2ndアルバムFuture Nostalgiaです!同意見の方も多いかも知れません。

以前からどことなく懐かしさのあるダンス・ミュージックを得意とする彼女。今作はまさにFuture Nostalgia(未来のノスタルジア)というアルバムタイトル通り、新しくも懐かしいようなダンス・ミュージックで首尾一貫したアルバムで、聴いていると最高に気持ち良いです。

キラーチューンも多いですね。大流行したDon't Start Nowはもちろん、Levitating, Break My Heart, Hallucinateなど名曲揃いで飽きません。1曲目のタイトルソングも心地良いです。

気持ちが沈みがちな社会情勢の中、老若男女誰もが気持ち良く踊れた"未来のノスタルジア"でした。2020年のアルバムといえばこれでしょう。

2位 Grimes: Miss Anthropocene

Grimes
2020年2月21日リリース
2位はGrimes(グライムス)の5thアルバムMiss Anthropoceneです。

Grimesは個人的に大好きなアーティストです。宅録感満載だった1st(でも名盤)から常に進化を遂げているところがGrimesの素晴らしさ。前作の2015年Art Angelesが素晴らしいアルバムだったので、今回はどうなるかと思いましたが、全く期待を裏切らない完成度です。

完成度を上げるだけでなく、毎回アルバムの世界観がガラッと異なるのが彼女の凄さです。例えるなら前作Art Angelesは陽&近代、今作Miss Anthropoceneは陰&未来といった感じでしょうか。
今作は特に唯一無二の世界観ですね。真っ暗で広大な宇宙に投げ出されたような気分になります。かつキャッチーさもあって聴きやすいです。

このアルバムから沢山歌詞も和訳しました。好きなあまり思わず熱が入っている記事もあるかも知れません。よろしければ見てみてください。

3位 Lady Gaga: Chromatica

レディー・ガガ
2020/5/29リリース
3位はレディー・ガガの6thアルバムChromaticaです。

幕開けのAliceからキャッチーかつクールで、おおっ!と引き込まれます。続けてシングルカットされたStupid Loveや、Ariana GrandeをフィーチャリングしたRain on Meが続いて、全く飽きさせない展開です。

後半も手を抜きません。今話題のBlakpinkをフィーチャリングしたSour Candy、なんと大御所Elton JohnをフィーチャリングしたSine From Above、Madonnaの大ヒット曲Vogueを彷彿とさせるBabylonなど、全体的に完成度が高いです。

どこか切なげだけどノリノリになれるGagaポップで一貫されていて、最初から最後まで聴き飽きません。捨て曲ほぼ無しです。

4位 Fiona Apple: Fetch the Bolt Cutters

フィオナ・アップル
2020/4/17リリース
4位はFiona Appleの5thアルバムFetch The Bolt Cuttersです。

前作The Idler Wheel ...以来8年ぶりのアルバムです。音楽業界とのゴタゴタもあるようで、アルバム数は多くないFiona Apple。それ故に才能に惹きつけられ続けているファン(私含む)にとっては待望のアルバムでした。

久々のアルバムとなると、割と安全地帯に留まった音楽性になりがちなものですが、そこはFiona Apple。今作は本当に攻めた内容のアルバムです。
1st, 2ndアルバムの頃の狂気や不安定さを思い出すような、心底からおどろおどろしく歌い上げるような曲が多いです。とはいえ昔よりずっと俯瞰した視点や遊び心も感じられる、狂気と俯瞰のバランスが素晴らしいアルバムです。

あと彼女はやはりピアノが素晴らしいですね。ピアノでこれほどおどろおどろしさを出せるなんて、Fiona Appleを聴くまで知りませんでした。
精神を削り出しているかのような力強い歌声と、彼女の弾くピアノが一体となって、全ての曲を心から歌い上げています。

歌詞も何曲か和訳しました。弱さと強さを併せ持った彼女の内面が吐露された歌詞で、どれも魅力的です。

5位 The 1975: Notes on a Conditional Form

The 1975
2020年5月22日リリース
5位はThe 1975の4thアルバムNotes on a Conditional Form(仮定形に関する注釈)です。

2018年11月の傑作3rdアルバムA Brief Inquiry into Online Relationships(ネット上の人間関係についての簡単な調査)からあまり期間を置かずに発売されたアルバムです。当初は2019年3月にリリースされる予定でしたが、コロナ渦等でリリースが何度か延期され、最終的に2020年5月リリースとなりました。

最初にMVと一緒に発表されたパンク調のPeopleには、誰もが度肝を抜かれました。MVもボーカルのマシュー・ヒーリーがマリリン・マンソン風に扮していて"一体次のアルバムはどうなっちゃうんだ?"というドキドキをくれましたね。予定調和でない彼らの姿勢がよく伝わってくる先行曲でした。

その後発表されたFrail State of Mind, Me & You Together Song, If You're Too Shy (Let Me Know)などは、The 1975らしい良曲だったのである意味安心しました。Guysは歌詞に日本も出てきて嬉しい限りでした。

そんな様々な曲が集まったアルバムなのですが、アルバムとしてはやや長すぎて散漫かな、というのが私の率直な感想です。80分29秒という、近年の音楽アルバムでは珍しく1時間超えの内容。Peopleから始まり、その後The 1975らしさのある良曲が続きますが、アコースティック調の曲が増える中間あたりが中だるみしている気がします。

おそらく狙ってやったことでしょうし、そこも含めて昔の音楽アルバムのような良さと楽しみはあります。ただ近年の短いアルバムに慣れてしまった人達にとっては、2枚に分けた方が良さが伝わったのではないかと思います。
ポップソングはポップソングでタイトにまとめて、アコースティック調の曲はそれだけでまとめてアルバムを作ったら、もっと評価されていた気がしてなりません。まぁセールス的には一緒に売ったほうが強い、など色々と理由はあるでしょうから、外野の勝手な意見なのですけどね。。。

それぞれの曲は相変わらず良いのに、曲数が多すぎて埋もれている印象で、個人的には何だかもったいないアルバムでした。でもそれぞれの曲は気に入っていますし、歌詞は沢山和訳しました。
つまり、大好きだからこそあれこれ言っちゃうやつです。笑
次作もどうなるか読めませんね。きっとまた度肝を抜いてくれるのでしょう。楽しみです。

他アルバムの感想

The Weekndの4thアルバムAfter Hoursも良かったです。このランキングなら6位くらいでしょうか。The Blinding Lightsは2020年のキラーチューンです。

Miley Cyrusの7thアルバムPlastic Heartsも良かったですね。ハスキーでかっこいい歌声にぴったりな曲が多いです。彼女の歌手としての強みがようやく報われた感じがして胸が熱くなりました。特にMidnight Skyが好きです。

新潟生まれロンドン育ちのRina SawayamaのSawayamaも世界的に高評価でした。"XS"は歌詞を和訳しましたが、独特の音楽性ですよね。Wikipediaには
自身では自分の音楽を、「Cute R&B」あるいは「マライア・キャリー、カーディガンズ、ジャスティン・ティンバーレイク、アリーヤ、椎名林檎、N.E.R.Dのミックス」と表現している。
とありますが、まさにそういった感じです。私はブリトニー・スピアーズの要素も強く感じます。
日本と海外の両文化を知っているからこその音楽性で、完全に欧米化されていない曲調が唯一無二です。日本人の私が聴くと所々小っ恥ずかしい気持ちにもなるのですが笑、海外の感覚では新鮮でかえって良いのでしょう。

彼女はライブパフォーマンスでも気迫と歌唱力があり、じわじわと音楽界を席巻しつつあります。特にこのThe Tonight Show Starring Jimmy FallonでのTVパフォーマンスは圧巻です。

Ariana GrandeのPositionsはタイトルソングがとても好きです。抜群の歌唱力は控えめにした、クールな曲調がたまりません。

The Strokesの6thアルバムThe New Abnormalはやや弱いかな。。。といった印象です。The Adults Are Talkingは、脱力感が絶妙で大好きですけどね。他にも何曲か歌詞を和訳しました。

海外サイトでは、Haimの3rdアルバムWomen in Music Pt. III、ParamoreのボーカルHayley Williams(ヘイリー・ウィリアムス)の1stソロアルバムPetals For Armorなども高評価で気になります。

2019年のフジロック出演で話題になった、タイファンク風音楽のKhruangbinも3rdアルバムMordechaiをリリースしています。これから聴きたいです。

まとめ

2020年は随分奇妙な1年でしたが、音楽は豊作でした。ライブはおろか、外出もままならない日常に少しでも楽しみを生み出そう!という意識も高まり、音楽の重要性も密かに高まったのではないかと思います。
リスナーにとってはじっくり音楽を堪能できる時間が増え、アーティストにとっては音楽制作に没頭できる時間が増やせた1年。案外悪くないものです。

配信ライブなど、新しい音楽の楽しみ方も模索されて始めています。フジロックもスパソニも開催されず非常に悲しかったですが、新しいライブやフェスの形態はどのようになるのだろう?という期待も高まります。何より、久々にリアルのライブに行けたときは、ものすごく嬉しくて満たされる時間になるでしょうね。

近いうちに新しい形態で、音楽をまた直接体感できる日々を楽しみにしながら、来年も乗り切っていこうと思います。

Amazon Music Unlimitedで、今回ご紹介したアルバムをほとんど聴けますので、よろしければ試してみて下さい。


他におすすめアルバムや、語りたい2020年の音楽ネタ等ありましたら、ぜひコメントやtwitterで教えてください。
それでは皆様、良いお年を!Stay Safe!

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